●この実験は「武器が語る日本史」兵頭二十八著 徳間書店2019年刊 本体1,700円+税 のために実施され、結果を考察した記事が同書に掲載されています。
2019年6月12日、東京都下で戸山流一門の方々が弓の貫通実験をしました。
用意した弓の弓力は27キロと、50キロ。矢は格別に太い竹の篦(の)に平根の大きな鏃を装着した矢が1本、普通よりやや太い篦にマイナスドライバーのように鑿根(のみね)を装着した矢、同じく尖根(とがりね)、同じく円錐と角ばった神頭形(じんどうけい)各1、など計5本を用意。
いずれの鏃も焼き入れが入った鋼で平根には刃がつき、ハート型の腸繰(わたくり)が入っています。今やもう作られていない遺物、貴重な実戦用の鏃です。
実際、鎧に使われた小札の鉄板は厚さ0.8ミリから1.5ミリ程度とされていますが、今回の標的は厚さ0.35ミリの金属製のバケツと、厚さ1.6ミリの鉄製フライパンでした。
二つの弓力の弓を代わる代わる使い、距離5メートルと、10メートルから矢を放ちました。果たして、その結果は、映像をご覧ください。